今週は東京競馬場で根岸ステークス(ダ1400m)が行われる。悪天候に見舞われた先週とは打って変わって好天が予想される今週末。パサパサに乾いたダートへの対応力も重要となりそうだ。
ここでは、過去10年データからタガノビューティーとエンペラーワケアにフォーカスした「80 or 0%」データを取り上げる。
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目次
■古豪タガノビューティーに【1.2.1.1】の追い風
これまで重賞に挑戦すること13回。悲願の重賞制覇に闘志を燃やすのがタガノビューティーだ。昨年はかしわ記念2着、武蔵野S2着と重賞まであと一歩のところまで来ている古豪。その脚質ゆえ取捨に迷ってしまうところだが、“買い”とジャッジするには申し分ないデータを発見した。
・前走1600m以上で上がり3F最速【1.2.1.1】
5頭中4頭が馬券内を確保。馬券内率80%と、特筆すべき数字を残してるのだ。見逃せない好走データと言えるだろう。
昨年参戦した本レースは4着。その結果をどう捉えるかだが、当時の上位馬はドバイにも出走予定のレモンポップ、ダートで連対率100%のギルデッドミラー、ダートで一度しか馬券外のないバトルクライ。近年まれに見るハイレベルレースでの惜敗なら評価を下げる必要はないだろう。“14度目の正直”で挑む東京の舞台。タイトル奪取への機は熟した。
■エンペラーワケアに該当の【0.0.0.5】
その一方で、不安要素ありと言わざるを得ないのがエンペラーワケアだ。サンライズフレイム、アームズレインと同じ前走1着から臨む4歳馬。条件戦の勝ちっぷりから重賞即通用の期待がかかるが、今回は経験値のなさがネックとなる可能性が浮上してしまう。
・中央ダートの古馬混合OPクラスで馬券内がない4歳馬【0.0.0.5】
強豪相手に経験を積んだ歴戦の猛者が出走するダート路線。経験値の裏付けがない4歳馬にとって本レースでの好走は難易度が跳ね上がるものとなっているのだ。
勝ち方こそ派手だった近走だが、稍重の馬馬コンディションを考えると1分24秒7、1分23秒4の近2走勝ち時計はさほど強調できるものとは言い難い。過去10年で差し追込馬が9勝と切れる馬に分がある本レース。経験値、持ちタイム、脚質と3つの不安要素がある今回、積極的な買い材料が見当たらないのが正直なところだろう。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。