過去10年、東京新聞杯は1番人気が【1-0-2-7】と、勝率にしてわずか10.0%と苦戦を強いられる傾向にある。さらに昨年の1番人気ヴァンドギャルドは4着、一昨年の1番人気レッドヴェイロンは9着と、2年連続で馬券圏内すら死守できていない状況だ。
これに代わって台頭してくるのが4~9番人気の中穴勢で、【5-8-5-42】と高い水準をマーク。そして昨年は3連単26万7610円、2016年には同じく3連単で35万3160円が飛び出したが、いずれもフタ桁人気馬が馬券に絡んでいた。このことから馬券は、中穴人気を軸に人気薄まで手を広げるのが良さそうだ。
4番人気以下で馬券圏内に入った20頭のうち、13頭が1800m以上での勝利経験があった。この傾向は近年強くなっており、過去5年に絞ると7/9で当てはまる。直線の長い府中のマイル戦は、距離以上のスタミナがないと乗り切れないと言えるだろう。さらに左回りでの勝利実績も重要で、19頭がこれに該当する。つまり、このレースで狙うべきは「1800m以上の勝利経験」「左回り実績」のある伏兵馬と見た。
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■ドナアトラエンテ
12年の三冠牝馬ジェンティルドンナを全姉にもつドナアトラエンテ。初重賞制覇が期待された中山の前走・ターコイズSでは見せ場なく14着に大敗しており不可解な敗戦となったが、ここでの巻き返しに期待がかかる。
オープンに昇級してからは5戦連続で重賞に挑戦しており、新潟開催だった4走前の福島牝馬Sで勝ち馬と同タイムの2着、2走前の府中牝馬Sでは4着と、左回りのレースで健闘。これまで左回りは9戦して【3-4-1-1】と得意としており、右回りだった中山からのコース替わりは本馬にとって好走の後押しとなる。
また自身の4勝はすべて1800m戦で挙げたもので、スタミナが必要とされるこのレースにおいて最後のひと踏ん張りが利きそう。斤量54キロも背負い慣れており、悲願の初重賞制覇で波乱を演出する可能性は十二分にありそうだ。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。