11日に阪神競馬場で行われる阪神ジュベナイルF(GI、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。
前走アルテミスSを上がり3F33秒0の末脚で差し切ったラヴェルや、同レース2着のリバティアイランド、全兄にマイルCS勝ち、朝日杯FS2着のステルヴィオがいるウンブライル、京成杯3着、2年前のソダシに続いて札幌2歳Sを牝馬で制したドゥーラら、2歳女王決定戦に今年も将来有望な馬たちが参戦し、今後を占う一戦となりそうだ。
ここでは、血統データから読みとく阪神ジュベナイルFの推奨馬を紹介する。
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■持続力とパワーに富んだノーザンテースト
データは2017年以降の阪神ジュベナイルFを集計。3着内馬の血統表は以下の通り。
ディープインパクト産駒は2018年に1番人気で制したダノンファンタジーの1勝のみ。翌年の2019年にリアアメリアが1.8倍のオッズを裏切って6着と敗戦しているなど、適性のある舞台とは言い難い印象。一方、ダイワメジャー、オルフェーヴル、ルーラーシップ、ゴールドシップなどノーザンテースト内包の種牡馬から多数馬券に絡んでいる。
特に2017年の阪神ジュベナイルFでは、オルフェーヴル産駒のラッキーライラックが1着、ルーラーシップ産駒のリリーノーブルが2着に入るワンツー決着と大活躍だった。
ノーザンテースト内包の種牡馬が好走できる理由はコース形態にある。阪神芝1600mは、直線が長くゴール前に急坂が待ち構えているコース形態。この時期の2歳牝馬にとってはスピードだけで押し切ることは難しく、スピードの持続力と坂をこなすパワーが不可欠。そのため、持続力とパワーに富んだノーザンテースト内包の種牡馬が活躍できるというわけだ。
今回はノーザンテーストを内包しているドゥラメンテ産駒とカレンブラックヒル産駒からそれぞれ2頭を推奨馬としてピックアップしたい。
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1頭目はドゥラメンテ産駒のドゥーラ。前走の札幌2歳Sでは、逃げるフェアエールングなど先行勢を目標に好位置でレースを進め、勝負どころでポジションを上げると直線外から抜け出して勝利。同レースで勝った2013年レッドリヴェールや2020年ソダシといった牝馬は、その後阪神JFを勝利しており、偉大な先輩たちに続きたいところ。
また、馬体重が460キロ以上あるドゥラメンテ産駒の牝馬は、16頭立て以上かつ牝馬限定戦の芝レースに出走すると【8.7.3.37】、勝率14.5%、連対率27.3%、複勝率32.7%、単回収値114と信頼度が高い。特に1800m以下の右回りコースと相性が良く【5.4.0.13】、勝率22.7%、連対率・複勝率40.9%、単回収値210と抜群の成績。5勝全てが5枠以内からであり、内よりの枠に配置されればアタマで狙っていきたい。
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2頭目はカレンブラックヒル産駒のミスヨコハマに注目。2歳馬ながらすでにキャリア6戦で1200~1600mと幅広く距離をこなし、左右両回りのコースを走ってきているように他馬より多くの経験を積んでいる点が強みと言えそう。また前走・赤松賞で接戦を制しているように勝負根性に優れておりGIでも軽視できない。
また、父カレンブラックヒルの牝馬が、2歳時に1勝クラス以上の芝レースに出走すると【4.2.3.15】、勝率16.7%、連対率25.0%、複勝率37.5%、単回収値423と2歳戦に強く、配当妙味は十分。特に前走から騎手が乗り替わりだと【3.1.1.7】、勝率25.0%、連対率33.3%、複勝率41.7%、単回収値785。人気薄で好走するときの大半が乗り替わり時に結果を残している。手綱がM.デムーロ騎手に替わる今回、高配当をアシストしてくれる穴馬の代表格として相手にはぜひ加えたい1頭だ。
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文●中井達也(SPREAD編集部)