12日は阪神競馬場で今後の大阪杯や宝塚記念に繋がる京都記念(GII、芝2200m)が開催されます。
一昨年、昨年と同様に京都競馬場の大規模改修工事に伴う開催日割り変更のため、今年も阪神芝2200m(内回り)が舞台。そのため過去データはあまり意味を成しません。
今回は阪神競馬場の改修後となる2006年以降の阪神芝2200m重賞の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきます。なお、主な集計対象レースは2006年以降の宝塚記念、20年以降のエリザベス女王杯、21年以降の京都記念です。
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目次
■この舞台なら池添謙一騎手
今年の京都記念に騎乗する騎手の中で、2006年以降の阪神芝2200m重賞で騎乗経験があるのは11騎手。各騎手のデータは次の通りです。
[2006年以降]阪神芝2200m重賞の騎手別成績
阪神芝2200mの重賞が行われるたびにプッシュしている気はしますが、やはり「宝塚記念男」こと池添謙一騎手の活躍は見逃せません。
2012年宝塚記念のオルフェーヴル(1番人気1着)、15年宝塚記念のショウナンパンドラ(11番人気3着)、20年宝塚記念のモズベッロ(12番人気3着)など人気でも穴馬でも頼りになる騎手です。
また、注目ファクターは騎乗馬の人気で、【池添謙一騎手】×【阪神芝2200m重賞】×【4歳馬】は【1.0.2.2】連対率20.0%、複勝率60.0%。連対率こそ今ひとつですが、複勝率が大きく上昇します。前述のショウナンパンドラ、モズベッロらが該当しますね。
さて、今年の京都記念で今週戦列復帰の池添謙一騎手が跨るのが、4歳馬で前日16時時点4番人気のプラダリア(牡4、栗東・池添学厩舎)。
実績ではGI3勝のエフフォーリア、GI2勝のドウデュースの2頭に大きく劣るものの、人気以上の激走が見られるか注目です。3着候補として考えるのがいいかもしれません。
■武豊騎手は位置取り次第
続いて前日16時時点1番人気のドウデュース(牡4、栗東・友道康夫厩舎)に騎乗する武豊騎手のデータを見ていきましょう。
集計期間内17度の騎乗機会があった同騎手ですが、2008年宝塚記念のメイショウサムソン(1番人気2着)、16年宝塚記念のキタサンブラック(2番人気3着)のように勝ち切れない競馬が見られます。
とりわけ4歳馬に騎乗時は【0.0.1.8】で、これは騎乗馬の質もあったと思いますが、前述のキタサンブラックも該当していたのは気になるところ。
なお、データを細かく見ていくと、4角位置取りが重要で【4角5番手以内】なら【0.2.1.3】の連対率33.3%、複勝率50%。ドウデュースは当日の位置取り次第と考えられます。
■横山武史騎手には鬼門の舞台
最後に前日16時時点2番人気のエフフォーリア(牡5、美浦・鹿戸雄一厩舎)に跨る横山武史騎手のデータを見ていきます。
うーん……。データ上は買いとなるファクターが一切見つかりません。
2021年エリザベス女王杯のウインマリリン(3番人気16着)、22年宝塚記念のエフフォーリア(1番人気6着)、同年エリザベス女王杯のナミュール(3番人気5着)と人気馬で馬券に絡めていませんね。
騎乗馬の状態面、適性などが着順に大きく影響した可能性はあるものの、データ上は“嫌ってなんぼ”と考えます。横山武史騎手にとって阪神芝2200m重賞は鬼門なのでしょう。
以上、京都記念の気になる騎手データでした。
武豊騎手、横山武史騎手ともデータ上は強く推すことができず、今回は池添謙一騎手をデータ注目騎手とします。池添謙一騎手から先の2騎手以外に流すワイドや3連複でいい配当が狙えそうです。
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追い切り
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データ傾向
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。