7日に東京競馬場で行われるNHKマイルC(GI、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。
2018年以降のNHKマイルCで3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬2頭を紹介する。ここでは、そのうち1頭を紹介する。
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■母父でもディープの遺伝子は偉大
過去5年でサンデー系種牡馬が3勝2着4回、毎年1頭は連対を果たす活躍をみせている。なかでも、ディープインパクト系が【2.2.0.13】勝率11.8%、複勝率23.5%、単回収値249と優秀。昨年も母父にディープインパクトの血を持つカワキタレブリーが最下位人気ながら3着に激走するなど、父系だけでなく母系に入っても無視できない存在だ。
一方、ロベルト系種牡馬は【0.0.0.10】と相性がどうにも悪い。該当10頭は全て5番人気以下の馬だったとは言え、この傾向は気になるところ。今年はクイーンC3着のモリアーナ(エピファネイア産駒)が出走を予定しているが、今回は評価を下げたいところだ。
これらの理由はコース形態とレース展開にある。東京芝1600mは、最後の直線距離が525.9mと長いワンターンコース。また本レースは短距離路線からの強豪が多く参戦することもあり、中間が緩まず早い上がりも求められるレース。つまり「瞬発力勝負」になりやすく、スピードと瞬発力に長けたディープインパクトの血が活きるわけだ。
そこで今回は母父にディープインパクトの血を持つこの馬に注目する。
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■ドルチェモア
父は香港クイーンエリザベスC覇者・ルーラーシップ、母は桜花賞馬・アユサン、母父に無敗の三冠馬・ディープインパクトがいる血統構成。
無傷の3連勝で朝日杯フューチュリティSを制し、昨年度のJRA賞最優秀2歳牡馬に選ばれた本馬。年明け緒戦だった前走のニュージーランドTでは、好スタートから掛かり気味にハナに立ったが、直線で粘り切れず7着。これが初めての敗戦となったが、この馬にとって稍重の中山コースというタフな条件は向かなかった印象。
サウジアラビアRCを制した時のように東京の決め手勝負となれば巻き返しを十分期待できそうだ。さらに血統面でも推せるポイントがあり、父ルーラーシップ×母父ディープインパクト系の牡・セン馬は、2018年以降、東京芝1600mに出走すると【4.0.4.7】勝率26.7%、複勝率53.3%、単回収値170と好成績を挙げている。
なかでも良馬場かつ前走右回りのコースを走っていた馬に絞ると【3.0.1.2】勝率50.0%、複勝率66.7%、単回収値300と、抜群の勝率、回収値を誇っている。3勝のうち、2勝は前走4着以下からの巻き返しである点も踏まえると、中山から東京へのコース替わりはこの血統馬にとって大幅なプラスとなりそうだ。
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文●中井達也(SPREAD編集部)