14日に東京競馬場で行われるヴィクトリアマイル(GI、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。
2018年以降のヴィクトリアマイルで3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬を紹介する。
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■スピードと瞬発力に優れたディープインパクトの血
過去5年の種牡馬成績をみていくと、ディープインパクト系種牡馬の出走数が40頭と非常に多く、昨年もキズナ産駒のファインルージュが2着に入るなど、2016年から7年連続で3着内に入る活躍ぶりだ。また一昨年に10番人気のランブリングアレーが2着に激走したように人気薄の激走もあって、馬券妙味も十分にある。
一方、キングマンボ系種牡馬の集計成績は【1.0.0.8】、勝ったのは2020年の1番人気アーモンドアイのみと苦戦傾向。今年もキングカメハメハ産駒のスタニングローズや阪神牝馬Sを勝利したサウンドビバーチェ(ドゥラメンテ産駒)らが出走を予定しているが、今回は割り引きたい。
ディープインパクト系種牡馬が得意とする理由は、コース形態とレース展開にある。東京芝1600mはコーナー2つのワンターンで行われ、加えて短距離路線からの参戦もあり、スタートからゴールまでペースが緩まず、スピード勝負になりやすい。
近年は勝ち時計1分30秒台から32秒台の高速決着となり、レース上がり3Fは33~34秒台へ突入。スピードと瞬発力に長けたディープインパクトの血が活きるというわけだ。
今回はディープインパクト系種牡馬の中でも、キズナ産駒に注目する。
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■ソングライン
父は第80代ダービー馬・キズナ、母父は有馬記念連覇などGI4勝のシンボリクリスエス、近親に2009年の日本ダービー馬・ロジユニヴァース、17年の秋華賞馬・ディアドラがいる血統構成。
昨年の安田記念で悲願のGIタイトルを獲得した本馬。その後、秋初戦に1200mのセントウルS、そして前走の連覇を狙ったドバイの1351ターフスプリントとスプリントの距離を選択したが、距離が短く忙しかったか直線鋭さを欠いてそれぞれ5着、10着に敗戦。
歯がゆいレースが続いているが、得意のマイルに戻る今回は復活の激走に注意が必要だろう。さらにこのローテーションは昨年と同じパターン。経験という意味で昨年5着より上の着順を狙えそう。新コンビとなる戸崎圭太騎手の手腕にも期待したい。
加えて血統面でも推せるポイントがあり、父キズナ×母父ロベルト系の牝馬は、芝マイルで6勝を挙げているが、右回りだと【0.3.2.10】と未勝利であるのに対し、左回りだと【6.2.1.16】勝率が24.0%、複勝率36.0%、単勝回収値537と今回の条件はベスト。その条件に加え、奇数馬番に配置された場合に絞ると【4.1.1.6】勝率33.3%、複勝率50.0%、単回収値1059と、高い勝率を誇るなどハイアベレージをマークしていることがわかった。
一般的に後入れの偶数馬番の方が有利と言われているため意外な結果ではあるが、キズナ自身馬番1から日本ダービーを制しているように、先入れされ、じっくりゲート内で準備を出来た方がプラスなのかもしれない。枠順発表で馬番が奇数になるか、偶数になるか要チェックだ。
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文●中井達也(SPREAD編集部)