6日は中山競馬場で皐月賞のトライアル重賞・弥生賞(GII、芝2000m)が行われます。
近年はぶっつけローテや共同通信杯をステップに皐月賞へと進むローテが王道となりつつありますが、皐月賞の前哨戦として長い歴史を誇るのが本重賞です。今回は2000年以降の過去データをもとに、弥生賞の気になる騎手データを見ていきます。
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目次
■数は少ないがグランプリ男の参戦時は要警戒
今年の弥生賞に騎乗する騎手の中で過去騎乗経験があるのは9名。各騎手の騎手データは次の通りです。

[2000年以降]弥生賞の騎手別成績
先週の中山記念は連対経験がある騎手が数名に限られていましたが、弥生賞は過去連対経験があり、かつ上々の数値を誇る騎手の割合が高いですね。
過去の騎乗数こそ3鞍と少なめですが、66.7%と高い連対率をマークし、着順と人気のバランスにも優れるのがグランプリ男として知られる池添謙一騎手です。2003年のテイエムリキサン(3人気)は1着馬とタイム差なしの4着でしたが、2010年のエイシンアポロン(2人気2着)で連対すると、2019年の弥生賞では8人気のメイショウテンゲンを優勝に導いています。メイショウテンゲンの激走が数値上昇に繋がっている印象ですが、もしかしたら勝ち負けになる手応えがある馬に絞って騎乗&遠征しているのかもしれませんね。
さて、今年の弥生賞で池添謙一騎手が跨るのが、前日8番人気の関西馬リューベック(牡3、栗東・須貝尚介厩舎)。果たして人気以上の好走が今回も見られるのでしょうか。
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■軸はレジェンド・武豊騎手で決まり
続いては集計期間内で最多となる5勝を挙げ、10度の馬券絡みがある武豊騎手について見ていきましょう。
2005年のディープインパクト(1人気1着)、2006年のアドマイヤムーン(1人気1着)、2007年のアドマイヤオーラ(1人気1着)、2010年のヴィクトワールピサ(1人気1着)など人気馬に跨る機会が多かったものの、人気馬をしっかり勝たせてきた実績は誇れるものです。元々連対率53.3%ととんでもなく高い数値を記録できていますが【武豊騎手】×【2番人気以内】は過去【5-2-0-1】で連対率が87.5%にまで急上昇。この組み合わせで単勝回収率、複勝回収率とも100%超えですから、人気でも妙味があることが分かります。
なお、同騎手は今年の弥生賞で前日1番人気の2歳王者ドウデュース(牡3、栗東・友道康夫厩舎)に騎乗予定。当日も圧倒的な人気を背負うことが考えられますが、下手に嫌うよりは素直に信頼した方が良さそうです。
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■美浦の大ベテラン・横山典弘騎手は2着候補
最後は武豊騎手に次ぐ5回の連対経験がある横山典弘騎手について見ていきましょう。
勝利を挙げられたのは2009年のロジユニヴァース(1人気)のみですが、近10年では2013年のコディーノ(2人気3着)、2014年のワンアンドオンリー(4人気2着)、2017年のマイスタイル(8人気2着)と3度の馬券絡みがあり、この舞台では押さえておきたい騎手ですね。
なお【横山典弘騎手】×【関西馬】の組み合わせは過去【0-3-1-2】の連対率50%と熱いデータが見つかります。奇しくも今年の弥生賞で横山典弘騎手が跨るのが関西馬マテンロウレオ(牡3、栗東・昆貢厩舎)。前走重賞勝ちながら前日4番人気タイに留まっているのもいいですね。データ的に1着は厳しそうですから2着候補として考えて見るのがいいかもしれません。
以上、弥生賞の気になる騎手データのご紹介でした。今回はデータ注目騎手としてドウデュースに跨る武豊騎手をピックアップします。
▼その他、データ予想
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弥生賞ディープインパクト記念2022予想コラム一覧
▼追い切り診断
◆【S評価】最高評価「S」は有力馬 “前哨戦仕様”を感じさせず「抜群の域」
◆【A評価】人気の盲点に「A」の高評価 休養効果で「前走以上の雰囲気」
◆【A評価】有力馬を上回る「A」評価は穴馬 気配上々で「上位食い込みは十分」
◆【B評価】上位人気に不満の「B」評価 時計は優秀も「背中や脚元の疲れが……」
▼穴馬予想
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▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】GI馬ドウデュースは6枠7番に入る 6年連続好走の「8枠」には伏兵2頭
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。