25日に中山競馬場で行われる有馬記念(GI、芝2500m)の「血統傾向」を分析する。
2017年以降の有馬記念で3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬2頭を紹介する。ここでは、そのうち1頭を紹介する。
図を見てみると、サンデー系種牡馬が2勝(ハーツクライ、ブラックタイド)、欧州血統のバゴ、ハービンジャー、ロベルト系のエピファネイアなど血統的なバリエーションに富んだ血統傾向と言えそう。しかし単勝オッズがフタ桁の好走馬に絞ると、昨年5番人気2着・ディープボンド、一昨年11番人気2着・サラキア、2019年4番人気3着・ワールドプレミア、2018年9番人気3着・シュヴァルグラン、2017年8番人気2着・クイーンズリングの計5頭いるが、すべて父がサンデー系だった。近年の有馬記念は、人気薄のサンデー系を侮るわけにはいかなそう。
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また前述5頭のうち、連対を果たしたディープボンド、サラキア、クイーンズリングの3頭に共通するのは母父が欧州適性の高いノーザンダンサー系だったこと。これは中山芝2500mが2度の急坂があるタフなコースのためパワーが必要であること。さらに、スタートしてからすぐにコーナーに入るため、先行争いは激しくスタミナの消耗戦になりやすいこと。これらの要因によって持久力のある欧州型ノーザンダンサーの血が浮上してくるのだろう。
今回は父サンデー系×母父ノーザンダンサー系に注目する。
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■ジャスティンパレス
父はディープインパクト、母父はヨークインターナショナルSなど海外G1を3勝したRoyal Anthemの3歳牡馬。春のクラシック戦線は皐月賞、日本ダービーともに9着と結果を残せなかったが、2走前の神戸新聞杯では課題だったスタートもうまく出て好位4番手で折り合い、直線に入ると前を早々と置き去りにして突き抜け3馬身半差の快勝。
さらに前走の菊花賞は、外枠発走ながら上手く好位の内めに潜り込む鮫島克駿ジョッキーの好騎乗もあり、ロスなく回って先行集団を射程圏内に入れると、4角では少し不利を受けながらもそこから懸命に末脚を伸ばして勝ち馬から0秒1差の3着。スピード、スタミナ両方のポテンシャルの高さを見せた。
中山コースも2歳時にホープフルS2着とGI好走実績がある得意な舞台で、鞍上には若手実力者T.マーカンド騎手を起用、半兄に中山GII・ステイヤーズS2着のアイアンバローズがいるなど穴馬の要素が揃っており、人気の盲点となる今回は絶好の狙い目と言えるだろう。
また2017年以降、父サンデー系×母父ヌレイエフ系の牡馬は、芝レースで外国所属のジョッキーが騎乗すると【3.5.4.15】、勝率11.1%、連対率29.6%、複勝率44.4%、単回収値212。なかでも1800m以上の右回りコースに限ると【3.3.3.4】、勝率23.1%、連対率46.2%、複勝率69.2%、単回収値442と非常に高い好走率と回収率を誇っている。この3勝全てが4角4番手以内の先行だった。追えるT.マーカンド騎手なら積極的な位置取りの競馬をしてくれそうで、激走の可能性に賭けて積極的に予想に加えておきたいところ。
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文●中井達也(SPREAD編集部)