■リバティアイランド
【中間調整】母は豪州の3歳GI・スプリングチャンピオンS(ランドウィック競馬場、芝2000m)を牝馬として初優勝したヤンキーローズ。血筋と調教での動きから昨年7月の新潟芝マイルの新馬戦では1番人気に支持され、上がり3F31秒4という究極の末脚を繰り出し期待に応える勝利を収めた。能力は世代内でも突出した存在だろう。2戦目のアルテミスSではよもやの敗戦を喫したが、イレ込んだことを考慮し川田将雅騎手が馬群内で落ち着かせることを専念したゆえにまったく動けない状態になったもの。直線半ばで大きく外に出してからの伸びは素晴らしく、勝ち馬にクビ差の2着なら負けて強しと言えた。
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前走・阪神ジュベナイルFは前半5F57秒0という急流を中団で悠々追走。直線入口の時点で“勝負あった”を思わせる勢いで進出し、2歳女王の座を掴んでみせた。その後はどこかで一戦挟む可能性も模索されたようだが、体調面を考慮して桜花賞への直行が1月半ばの時点で決定。3月10日に放牧先から栗東へ戻り、1冠獲りへ調整がスタートしている。
まずはしっかりケアに専念し、16日に坂路13-13程度で流したのが初時計。翌22日も坂路追いで、少し促した程度だったがラスト2F12秒3-11秒9(馬なり)とこの時点で既に鋭い脚を披露していた。ここまでの調整で馬体的に不安がないことから、1週前はCW併せ馬を敢行。序盤はピタッと折り合い、直線では外で懸命に追われる相手に合わせる貫禄たっぷり、センス抜群を感じさせる内容だった。
【最終追い切り】レース当週の調整には川田騎手が騎乗し、CWで併せ馬。3歳未勝利を目標に進み、道中はじっくり我慢。直線半ばで取り付くと、脚力の違いをアピールするように手応え圧倒であっさり抜き去った。反応、切れともに申し分なし。
【見解】牧場での調整が順調そのものだったようだし、トレセンに戻って慎重に立ち上げた効果で坂路→坂路→CW→CWと理想的な調整過程を踏めている。前走1週前は体調面から負荷の軽い芝コースで追い切っていたが、今回はCWというあたりに好感。先週、今週と完成度の高い走りを見せている。抜群のポテンシャルを実戦で如何なく発揮できそうな雰囲気。まずは一冠濃厚。
総合評価「S」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。