【朝日杯FS/危険な人気馬-前編】無敗馬の一角は“消し” 2歳マイル王決定戦で「買うべきではない」1頭とは

今週は阪神競馬場で第73回・朝日杯フューチュリティS(GI、芝1600m)が行われる。前走札幌2歳Sを快勝したジオグリフ、すでに重賞2勝と世代上位の実績を持つセリフォス、萩Sで素質馬キラーアビリティを下したダノンスコーピオンらが出走予定だ。

ここでは朝日杯フューチュリティSの好走条件と想定メンバーから展開を読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてジオグリフを取り上げたい。

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■突如現れた怪物候補のジオグリフ

まずはジオグリフの前走・札幌2歳Sについて分析する。

スタートで後手に回ってしまい、道中は最後方からの競馬となったが、3コーナー過ぎにギアを上げて先団にとりつき、直線では上がり最速の末脚を繰り出して4馬身差の圧勝劇を演じた。また、父ドレフォンは未知数な部分があったものの、「スピード」と「競馬センス」が高いレベルにあることをジオグリフが証明するようなレース内容だった。

これまでの戦歴からも「2歳中距離路線でトップクラスのスピード能力を保持し、番手を問わず速い末脚を繰り出せる有力馬」と評価できるだろう。また、乗り変わりが多い2歳重賞において、3戦連続でルメール騎手が騎乗する今回も好走に期待が高まるのも当然だろう。

しかし、結果的に前走の札幌2歳Sで下した馬たちがその後振るわない成績となっていることに加え、芝のレースにおいて揉まれ弱さを露呈してしまっているドレフォン産駒のジオグリフに一抹の不安が残る。

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■新種牡馬ドレフォン産駒の明と暗

次に、今年の2歳馬が初年度産駒となる新種牡馬ドレフォンの芝レースにおける好走条件について分析してみる。

このように、揉まれずにプレッシャーのかからない競馬で一際強さを発揮している血統で、特に顕著だったのは、新馬戦で馬群を離す逃げの手で快勝したユキノオウジサマ。次戦の札幌2歳Sでは外から他馬に併せられると嫌がる素振りをみせて減速してしまい8着に大敗してしまっている。ジオグリフ自身も新馬戦は少数頭の競馬で2枠から先行し、他馬のプレッシャーを受けずに好走。次戦の札幌2歳Sは大外枠に入り、道中は最後方から競馬を進め3コーナーからマクリ気味に上がる大味な内容で圧勝していた。

つまり、これまで「少数頭競馬」+「ノンプレッシャー」の競馬でインパクトのある勝ち方をしているだけで、フルゲートとなる今回はドレフォン産駒が最も苦手としている「馬群密集型」になる確率が高く、その影響で馬群の中で揉まれるケースも想定されることからも、スタートが不安定のジオグリフのレースプランを考えると他馬を気にして力を発揮出来ない可能性もある。

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■「血」が示した不得意な競馬場

次に朝日杯フューチュリティSの好走パターンについて分析する。

1200m 【0-0-0-8】 勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%
1400m 【1-3-4-56】 勝率1.6%、連対率6.3%、複勝率12.5%
1600m 【8-4-6-41】 勝率13.6%、連対率20.3%、複勝率30.5%
1800m 【0-3-0-22】 勝率0.0%、連対率12.0%、複勝率12.0%
2000m 【1-0-0-5】 勝率16.7%、連対率16.7%、複勝率16.7%

最も馬券に絡んでいるのは前走1600mの18回。直近はサウジアラビアRC組とデイリー杯2歳S組が大半を占めているように前走1800m組が一度も勝利できていない点もジオグリフにとってマイナス材料となる。

先週行われた阪神ジュベナイルFと同様に、朝日杯フューチュリティSでも先行激化のため差し馬の台頭が目立っており、なかでも上がり最速の末脚馬は複勝回収値「427%」が示す通り、度々波乱を巻き起こしている。2019年グランレイは14番人気の低評価ながら上がり最速の末脚を繰り出し3着に好走、16年にはモンドキャンノが7番人気の評価ながら上がり最速の末脚を繰り出し2着に、13年の上がり最速馬アジアエクスプレスは4番人気で勝利するなど、人気の盲点だった差し馬の台頭が目立っている。

さらにドレフォン産駒の競馬場別成績(芝)を比較してみると、東京や中京、新潟などの直線がほぼ平坦になっている競馬場では好成績を収めているのにもかかわらず、阪神競馬場では【0-1-3-23】と27頭が出走しているものの、連対数は僅か1回と絶不調。この要因として考えられるのは、前半に上り坂があることで脚元に負担がかかりやすく、直線の下りで加速できるスピードに加え、ゴール前の急坂をこなすパワーも備えた総合力を問われる舞台設定となっているために、スピードに特化してしまっているドレフォン産駒は好走できないからだと考えられる。

また、母アロマティコもマーメイドS(阪神芝2000m)で1番人気の支持に推されるも3着に敗れ、単勝オッズ1.6倍の圧倒的人気に推されたムーンライトH(阪神芝2000m)でも人気を裏切り3着と凡走してしまっているようにいかにも「阪神向き」ではない血統で、兄弟馬のアルビージャやコパカティも東京や函館などほぼ平坦な競馬場に良績が集まっていた。勝ち方や走破タイムからも人気が先行しやすくなるが、血統背景や気性からもマイナスの材料が揃っており、想定人気以上に軽視する必要もあるのではないか。

以上の不安点から馬券の妙味を考えると、ジオグリフは「消し」の評価。

後編」ではジオグリフに代わる本命、そして穴馬4頭を含めた結論を紹介する。

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文・西舘洸希(SPREAD編集部)


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