■サリオス
【中間調整】朝日杯フューチュリティSを勝ち、皐月賞と日本ダービーではそれぞれ2着と力量は文句なし。一昨年の毎日王冠以来勝ち鞍から遠ざかっているものの、前走・安田記念ではタイム差なしの3着に駆けており、マイル~中距離カテゴリーでは現役トップクラスと言って差し支えないだろう。前走後は秋に備えてじっくり休養。9月2日の美浦帰厩後、丹念なケアを経て7日の坂路追いを皮切りに坂路、ウッドを併用した順調な調整が進んでいる。1週前はウッドで準オープン馬、そしてGI馬カフェファラオの2頭を追走する3頭併せを行った。ギリギリまで仕掛けを待って2頭をアオるような形から、最後は追われて鋭脚を披露。カフェファラオに先着、準オープン馬に併入で5F全体66秒6(強め)と、時計面も上々だった。
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【最終追い切り】最終追いはウッドで外を回り、内後方からの準オープン馬を迎撃。序盤はリズム重視に徹し、余力を十分保ったまま直線へ。仕掛けられ、相手が並び掛けてくるとその分気持ちを乗せて機敏にギアを上げることができていた。結局パスさせることなく、併入のフィニッシュ。先週より負荷は軽かったが、5F全体66秒2(馬なり)と時計はさらに詰まっていた。
【見解】テンションが上がりやすく、また体が硬くなりやすい馬でもあり細心の調整が求められる馬だが、帰厩後3頭併せ3本を含む併せ馬6本をこなせているあたり、心身のコンディションはかなりいい状況のよう。最終追いで折り合い重視の外先導併せ馬をこなし、実戦感覚を磨けたのも好感が持てる。もちろん先を見据えた仕上げだろうが、大型馬の休み明けを感じさせない気迫があるのはいい。さっそく力を全開にできそう。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。