【フェブラリーS/危険な人気馬】「勝率1.9%」「勝利数ゼロ条件」に次々該当 GIレベルの実績馬を“消し”

 

【フェブラリーS/危険な人気馬】「勝率1.9%」「勝利数ゼロ条件」に次々該当 GIレベルの実績馬を“消し”

今週は、2024年最初のGIとなるダートの頂上決戦、第41回フェブラリーS(GI、ダ1600m)が東京競馬場で行われる。

今年は、チャンピオンズC、東京大賞典で連続2着のウィルソンテソーロをはじめ、同レースで連続3着のドゥラエレーデ、昨年のフェブラリーS2着のレッドルゼル、JBCクラシック覇者のキングズソードなど、ダート界の猛者が集結。加えて地方からも3頭が参戦し、回避馬が出たために有力候補・オメガギネスの出走が見込まれるなど、群雄割拠の混戦模様だ。

そんな中、ビッグタイトル奪取を狙うウィルソンテソーロが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■懸念材料が多く、人気ほどの信頼度はイマイチ

チャンピオンズCでは、後方から強烈な決め手を発揮し、レモンポップに0秒2差の2着。東京大賞典では一転、逃げの手に出て、ウシュバテソーロと0秒1差の2着と、ダート界の2強と差のないレースを演じてきたウィルソンテソーロ。その2強がいない今回、主役に抜擢されることは濃厚だ。

しかし、簡単に飛びつくわけにはいかない“危険な要素”をいくつも持ち合わせている。まず、本馬自身は条件戦時代に府中マイル戦で勝ち星を挙げているものの、年を重ねるごとに2000m前後の中距離戦線へシフトチェンジして結果を残しており、久しぶりとなるマイル戦への対応がカギを握る。

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加えて、前走東京大賞典組の過去10年の成績は【0.1.2.13】と、勝ち馬は輩出しておらず、2019年2着ゴールドドリームや、昨年3着のメイショウハリオなど、GI馬ですら取りこぼしているのが現実だ。

さらに、過去10年の3着以内に入った延べ30頭中26頭が、中央のダート重賞で勝ったことがある馬が占めており、GIで連続2着があるとはいえ、重賞実績は交流GIII3勝のみのウィルソンテソーロにとって、実績不足という点は否めない。

また、父キタサンブラックから遡るサンデーサイレンス系に属する本馬だが、サンデーサイレンス系で馬券に絡んでいるのは、ゴールドアリュールがほとんどで、近3年は【0.0.0.11】と出番なし。そして、ウィルソンテソーロの馬体重は480キロ台での出走が予想されるが、過去10年のフェブラリーSでは、500キロ以上の馬が【8.6.7.68】と大型馬が幅を利かせており、490キロ以下は【1.4.2.45】勝率1.9%、複勝率13.5%。馬格の物足りなさも懸念材料だ。

今回は松山騎手がテン乗りで勝負に臨むが、同騎手は、GIでの継続騎乗時の成績が【5.6.5.64】であるのに対し、乗り替わり時は【0.3.4.49】と、一気に成績が落ちている点も気がかりな材料で、大幅な鞍上強化とも言いにくい。これらの点を踏まえ、過剰な人気を集めるほど、信頼できる材料は少なく、妙味を考えると、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。