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【中山記念/危険な人気馬-前編】上位人気の一角は“消し” 春の中距離路線を占う一戦で「買うべきではない」1頭とは

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27日に中山競馬場で第96回・中山記念(GII、芝1800m)が行われる。前走マイルCSで3着に好走したダノンザキッド、好メンバーが揃った白富士Sで2着のアドマイヤハダル、昨年の福島記念覇者・パンサラッサ、東京新聞杯3着のカラテらが出走予定だ。

ここでは中山記念の好走条件と想定メンバーから展開を読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてカラテを取り上げたい。

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■6歳でも成長著しいカラテ

まずはカラテの前走東京新聞杯について分析する。

発馬で外へヨレて隣枠のエイシンチラーと接触し、中団後方からファインルージュを見る形で競馬を進めた。手応え十分に4コーナーを回ってきたものの、直線で前が壁になり、残り1ハロンで外へ出して追われたが、先に抜け出していた上位2頭には及ばず3着という結果だった。

昨年の東京新聞杯を勝利したことに加え、強い勝ち方をした年明けのニューイヤーS(リステッド)の内容を含めたこれまでの戦歴からも「高いスピード能力を保持し、マイル前後で堅実に末脚を使える重賞馬」と評価できるだろう。また、昨年から【3-1-1-2】と掲示板内を外したのはGI・安田記念(13着)のみと、重賞でも抜群の安定感をみせていることに加え、カラテを管理する高橋祥泰調教師の引退レースとなることも踏まえると、今回も好走の期待が高まるのは当然だろう。

しかし、1ハロン延長の1800m戦では【0-0-0-5】という成績になってしまっていることに加え、パンサラッサやコントラチェック、トーラスジェミニ、ワールドリバイバルなど逃げ先行馬が多数出走する今回の展開を想定すると、後方から差し切る戦法を得意とするカラテに一抹の不安が残る。

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■馬群の「形」で求められる適応力

次に、直近6年間の中山記念における逃げ馬のラップタイムを基にレースの質を分析してみる。

▼馬群→「縦長」
・【2021年】12.5-11.2-11.2-11.4-11.5-11.8-11.7-11.5-12.1
・【2020年】12.4-11.8-11.8-11.8-11.5-11.7-11.9-11.3-12.1
・【2019年】12.4-11.1-11.5-11.7-11.5-11.7-12.1-11.6-11.9
・【2018年】12.8-11.7-11.7-11.5-11.5-11.8-12.2-11.9-12.5

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▼馬群→「団子」
・【2017年】12.6-12.2-12.6-12.9-11.1-11.6-11.6-11.3-11.7
・【2016年】12.6-12.0-11.9-11.6-11.3-11.6-12.0-11.1-11.8

馬群における分類を「縦長」と「団子」の2パターンに分け、それぞれの逃げ馬のラップを比較してみると、先行馬決着となった2018年~2021年は2ハロン目の通過タイムが11秒台だったのに対し、差し馬が台頭した2016年、17年は2ハロン目の通過タイムが12秒台と後続馬に息が入りやすい展開のラップ構成だった。

特に顕著に表れたのは昨年の中山記念。バビット、ウインイクシード、トーセンスーリヤら3頭の先行馬が刻んだタイムは1600m通過「1分32秒8」とマイル戦のようなラップをバビットが刻み、馬群内目で上手く息を入れながら先行していたヒシイグアス、ケイデンスコール、ウインイクシードが消耗戦を耐え抜き、上位入線した。このように逃げ馬、または先行馬が多数出走する年は基本的に馬群が縦長になりやすい傾向にあり、これには中山競馬場のコース幅が20~32mと他場よりも狭く、発馬から内目に進路をとる馬が多くなる傾向にあることが大きな要因として挙げられる。

カラテは3走前の京成杯オータムハンデにて今回同じレースに登録しているコントラチェックと対戦しているが、コントラチェックが刻んだ1000m通過56秒8という高速ラップで形成された「縦長」の馬群ではカラテの末脚は不発に終わってしまっている。

つまり、パンサラッサやコントラチェック、トーラスジェミニ、ワールドリバイバルなどの「是が非でも逃げたい馬」が複数頭出走する今回の展開からカラテのポジションを想定すると、1600m通過が1分32秒台という高速ラップに対して息が入らず、後方から末脚を繰り出すも不発に終わってしまう可能性が高い。

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■トレンドは「先行馬」も上がりが重要

次に中山記念の好走パターンを上がり3Fの順位と脚質別成績から分析する。

・1位 【4-3-2-7】 勝率25.0%、連対率43.8%、複勝率56.3%
・2位 【0-0-0-6】 勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%
・3位 【3-2-0-6】 勝率27.3%、連対率45.5%、複勝率45.5%
・4、5位 【3-2-2-16】 勝率13.0%、連対率21.7%、複勝率30.4%
・6位~ 【0-3-6-53】 勝率0.0%、連対率4.8%、複勝率14.5%

このように「上がり最速」が最多の4勝を挙げており、昨年はヒシイグアスとケイデンスコールがともに上がり最速でワンツーフィニッシュ、2014年にもジャスタウェイが上がり最速で制している。

また、脚質ごとの成績は、逃げ【0-1-3-6】、先行【9-6-4-17】、差し【1-2-3-31】、追込【0-1-0-34】となっており、なかでも先行馬は最多9勝を挙げるなど好成績を収めている。昨年は4角4番手のポジションで競馬を進めたヒシイグアスとケイデンスコールが連対し、2020年には4角2~4番手を進んだダノンキングリー、ラッキーライラック、ソウルスターリングが馬券内に好走。過去10年の勝ち馬はいずれも4角6番手以内が圧倒的に多く、先行馬有利のデータとなっている。

カラテは前走の東京新聞杯で上がり2位、前々走のニューイヤーSで上がり最速とマイル戦では鋭い末脚で好走しているものの、4コーナーでのポジションはいずれも10番手だった。さらに、1ハロン延長となる1800m戦では【0-0-0-5】と振るわず、3歳時に挑戦したスプリングS(中山芝1800m)でも16着と大敗している点からも、距離延長と展開面は決してプラスには働かない。

また、カラテを管理する高橋祥泰厩舎の今期の成績がこれまで【1-1-6-21】と僅か2回しか連対できておらず、いまいちスタートダッシュを決められていないこともカラテの不安材料となりそうだ。以上の不安点から馬券の妙味を考えると、カラテは「消し」の評価。

後編」ではカラテに代わる本命、そして穴馬5頭を含めた結論を紹介する。

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中山記念2022予想コラム一覧

▼追い切り診断
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▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】最多3勝の「良枠」にはパンサラッサ 人気のダノンザキッドは大外枠からの発走

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文・西舘洸希(SPREAD編集部)

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