■ヴェルトライゼンデ
【中間調整】屈腱炎で16カ月の休養を余儀なくされたが、復帰戦だった昨年の鳴尾記念でさっそく勝利。昨年秋はジャパンCで3着に食い込むなど、ポテンシャルの減衰はまったく感じられない。今季初戦の日経新春杯では酷量59キロもなんの、接戦を渋太く制し重賞2勝目を挙げた。その後は放牧で英気を養い、脚元や体調面に問題ないことから2月頭の段階で大阪杯を目指すことが決定。2月21日に栗東へ戻り、23日にさっそく坂路15-15を出している。以降、復帰後の通例となっている坂路オンリー仕上げでジワジワと気配は良化。2週前の併せ馬には川田将雅騎手が騎乗し、4F51秒3をマークし大きく先着を果たした。1週前の併せ馬ではわずかに遅れたものの、相手は稽古駆けするマイル重賞勝ち馬ソウルラッシュならなんら問題なし。
【最終追い切り】レース当週の攻めにはドバイ帰りの川田騎手が騎乗し、坂路で併せ馬。稽古駆けする古馬3勝クラスに取り付いて併走すると、加速してもブレず、手応え優勢のまま力強い伸びから併入とした。序盤に若干だけイレ込む素振りもあったが、鞍上がキチッとなだめたあたりはさすが。
【見解】脚元を気遣って坂路オンリーの仕上げだが、復帰後の走りを見るにこれがちょうどいいのかもしれない。本数は順調にこなせており1週前に稽古駆けするオープン馬、当週にも稽古駆けする準オープン馬が併せ馬の相手というのは復帰後もっともハードな調整過程で、それにしっかり応えたあたり心身ともに盤石の態勢を感じさせる。川田騎手との意思疎通も上々。勝ち負け濃厚だ。
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総合評価「S」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。