過去10年、NHKマイルCにおける1番人気の成績は【3-1-1-5】。昨年3着だったグレナディアガーズ、2020年2着のレシステンシアをはじめ、その半数が馬券外に絡んでいる。一方、10番人気以下は【1-3-3-82】と7頭も馬券内に入っており、2年に一度はダークホースが大穴をあけている計算となる。
前走着順にスポットを当ててみると、前走1着馬は過去10年3着内の30頭のうち、わずか5頭のみ。同じく3歳春のGIである桜花賞は12頭、皐月賞は20頭、オークスは13頭、そして日本ダービーも13頭であることを考えると、明らかにNHKマイルCは連続好走が少ないと言える。なお、過去5年に絞ると、前走1着馬は1頭も馬券に絡んでいない。
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NHKマイルCで前走敗戦馬による巻き返しが多く見られる理由として、トライアルと本番で求められる適性が違うことが挙げられる。出走頭数が最も多いニュージーランドTは右回りで、タフな馬場の中山コース。一方、本番は左回りで、軽い芝の東京コースだ。また、ファルコンSにおいては、中京コースのため左回りこそ同じものの、本番は距離延長で臨むことになる。
理由はこのほかにも、比較的不利が起こりづらいコース形態、さらにクラシック路線組の参戦などが考えられる。このことから、前走着順にとらわれることなく、これまでのレース内容や適性をしっかり精査すればおのずと「穴馬」が見えてくるはずだ。
■アルーリングウェイ
デビューは昨年暮れの阪神開催と遅めだったがこれをなんなく快勝し、続く万両賞ではマテンロウオリオンと同タイムの2着。ここまで1200m→1400mと使われ、3戦目は牝馬限定のマイル戦、エルフィンSに出走すると、2番手から抜け出す正攻法で2勝目をマークした。
前走は牝馬クラシック第1弾の桜花賞で、5番人気の支持を集めたが8着。着順自体は見栄えがしないが、残り200mのところでゴチャつくシーンがありながらも、勝ち馬のスターズオンアースから0秒2差、3着馬とも0秒1差と僅差の走りを見せていた。展開一つで戴冠まであったのだから評価に値する。
牝系譲りのスピードが魅力で、牡馬相手でも府中なら通用する。初めての関東輸送だけに当日の気配は注視したいところだが、この人気ならリスクよりリターンのほうが大きいと見る。高配当の使者になる可能性は十分だ。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。