過去10年、日本ダービーにおける「前走ローテ」は、前走・皐月賞組が【7-8-5-66】で別路線組を圧倒。
昨年こそ前走・毎日杯組のシャフリヤールが制したが、2着には皐月賞馬エフフォーリア、3着には同3着の9番人気ステラヴェローチェが入った。2020年は前走・皐月賞組のワン・ツー・スリー、3着には皐月賞8着から巻き返した10番人気のヴェルトライゼンデが好走した。
2018年には皐月賞を1番人気で7着に惨敗したワグネリアンが、日本ダービーで5番人気の評価を覆して戴冠。巻き返した3頭はいずれも、重賞で勝ち負けしてきた馬であり、一度の惨敗で人気を落としていた。
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トライアルを経て皐月賞、そして日本ダービーへと続く過酷なクラシック戦線。その過程で馬場・コース適性、レース中の不利や調子落ちなどによる惨敗があってもリカバリーは可能で、今年も前走・皐月賞組から敗因が明確な馬に「盲点」は潜んでいると見た。
■デシエルト
3連勝で臨んだ前走の皐月賞は、2番手から抜け出しを図ったものの16着。無敗の実績や血統背景から7番人気と穴党の注目を集めていたが、その期待に応えることはできなかった。ただ、初の関東遠征もあってパドックではややテンションが高く、さらにスタートで躓くシーンも。決してスムーズだったとは言えず、前走だけで評価を下げるのは早計だ。
元々はダートで勝ち上がってきた馬だが、初の芝挑戦となった2走前の若葉Sを高く評価したい。道中はマイペースの逃げを打つと、直線では後続を突き放して2着ヴェローナシチーに3馬身差の勝利。まだまだ若さを残しているだけに自分でレースを作りたいタイプで、気持ちよく進めればこのメンバーでも引けを取らない。
前回の敗戦を踏まえ、今回は指揮官自ら“逃げ宣言”。枠順も後入れの偶数枠を引き、好走の条件は揃った。過去10年、逃げ馬による戴冠はないものの、2018年エポカドーロや13年アポロソニックなど【0-1-1-8】。万馬券射程の一撃を狙ってみたい。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。