19日に阪神競馬場で行われる阪神大賞典(GII、芝3000m)の「血統傾向」を分析する。
2018年以降の阪神大賞典で3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬2頭を紹介する。ここでは、そのうち1頭を紹介する。
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■瞬発力に富んだディープインパクトの血
昨年はキズナ産駒のディープボンドが勝って連覇を達成。2、3着にオルフェーヴル産駒が入りサンデー系がワンツースリーを独占したように、サンデー系種牡馬が【4.4.5.24】と強さを見せているレース。なかでも好調なのがディープインパクト系種牡馬でその集計成績は【2.1.2.4】勝率22.2%、複勝率55.6%、単回収値127と、出走頭数が9頭と少ない中で馬券圏内に5頭も輩出している。

対してロベルト系種牡馬は、一昨年に1番人気に支持されたエピファネイア産駒のアリストテレスが7着に敗れるなど、過去10年で馬券に絡んだ事がなく、上位人気が予想されるスクリーンヒーロー産駒のボルドグフーシュについては全幅の信頼は置けない。
また阪神芝3000mは、スタートして最初のコーナーまで長さがあるコース形態となっており、加えて当レースには長距離路線からの参戦馬も多く、スローペースで流れる傾向にある。つまり「瞬発力戦」になりやすく、瞬発力に富んだディープインパクトの血が活きる展開というわけだ。
今回はディープインパクト産駒に注目する。
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■ゼーゲン
父に無敗の3冠馬・ディープインパクト、母は独オークス2着のソベラニア、母父にドイツGI3勝のモンズーン、半弟に弥生賞2着のシュヴァルツリーゼがいる血統構成。
父に似て小柄な本馬だが、勝ち鞍は全て2400m以上のレースであるように豊富なスタミナを持っている。また、前走の松籟Sでは先に抜け出したタイムオブフライトを外から一気の脚で差し切り勝ちしたように今勢いもあって注目したい1頭だ。
また血統面でも好走の裏付けがあり、父ディープインパクト×母父モンズーンの牡・セン馬は、長距離が得意で、2400m以上の芝レースに出走すると【7.3.4.21】勝率20.0%、複勝率40.0%、単回収値295と非常に勝率が高く、前走12番人気の低評価ながら勝利したゼーゲンの他にも7番人気で2着に好走したララシャンパーニュがいるなど、長距離レースで買える配合と言える。
さらにこの配合馬は暖かくなってきた今の時期が狙い目で、 10~12月の冬季は7戦走って全てのレースで馬券外に敗れているのに対し、気温が上がってくる2~4月に限ると【2.0.1.4】勝率28.6%、複勝率42.9%、単回収値985と、激走の確率はさらにアップ。
3歳時のセントライト記念以来となる久々の重賞挑戦となるが、得意の長距離戦の舞台なら重賞でも通用すると見た。
▼その他、血統傾向
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阪神大賞典2023予想コラム一覧
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文●中井達也(SPREAD編集部)