渡邊雄太ってどんな選手? 日本人史上2人目のNBAプレーヤーとしてデビューを飾った期待の星

渡邊雄太ってどんな選手? 日本人史上2人目のNBAプレーヤーとしてデビューを飾った期待の星

2020年の東京五輪には、男子バスケットボール日本代表44年ぶりに出場する。代表の中でも注目されているのがメンフィス・グリズリーズと2WAY契約を結び、NBAでプレーする渡邊雄太選手だ。

今回は、そんな渡邊選手のプレースタイルや、同じくNBAで活躍する八村塁選手との関係性、NBAでの活躍に迫っていく。

高校卒業後はアメリカでのプレーを選択

(c)Getty Images

渡邊選手は高校時代から日本代表に選出され、卒業後はアメリカのNCAA1部のジョージ・ワシントン大学へ進学した。大学卒業後の2018年7月20日にメンフィス・グリズリーズと2WAY契約を結んだ。

そして同年10月27日に田臥勇太選手以来、史上2人目の日本人NBAプレーヤーとしてデビューを飾った。

オールラウンドな能力が求められるSF(スモールフォワード)を務め、特に献身的なディフェンスが評価されている。大学4年時にはA‐10カンファレンスにて、ディフェンスで最もチームに貢献したに選手に贈られる「ディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」にも選出されたほどだ。

また、2020年3月5日の試合では、約6分間の出場で5得点を決めるなど、オフェンス面でも活躍を見せている

八村塁ともマッチアップ

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渡邊選手と同じく日本人NBAプレーヤーとして注目されているのが、ワシントン・ウィザーズの八村選手だ。渡邊選手が3学年上に当たる。

NBAに挑戦する日本人として期待されている2人が初対決したのは、2019年12月14日(日本時間15日)のフェデックス・フォーラムでの試合。NBA史上初めての日本人対決となった。グリズリーズが勝利した試合後にはユニフォームを交換し、お互いのSNSに写真を投稿した。

2度目の対決である20年2月10日(日本時間11日)に行われたグリズリーズ対ウィザーズでは、2人同時にコートに立つことはなかった。

試合後のインタビューで渡邊選手は、八村選手がフリーのときに後ろから名前を叫び、好プレーを見せた八村選手がベンチの渡邊選手に「ドヤ顔」を見せた、とのエピソードを明かしている。

八村選手とは一緒に食事に行ったり、SNS上でお互いの出身地をイジり合ったりするなど仲が良い様子も見せる。

2人はただ仲が良いだけではなく、お互いに認め合っている関係だ。八村選手はゴンザガ大学在学当時から、渡邊選手がNBAで活躍している姿を見て刺激を受けていると語っており、ウィザーズに入団してからも「いつも競い合っている」と話す。

一方で、渡邊選手もNBAで活躍する八村選手を「ただただ誇りに思う」と称賛していた。

NBA本契約へ今年が正念場

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2018‐2019シーズンにグリズリーズと2WAY契約を結んだ渡邊選手にとって、2年目の2020年は正念場となる。

2WAY契約とは、NBAの下部リーグであるGリーグでプレーしながら最大45日間までNBAチーム所属として活動することができるという、2017‐2018シーズンから始まった新たな契約形態

渡邊選手はNBAのグリズリーズに呼ばれる機会を待ちながら下部チームであるメンフィス・ハッスルでアピールしている状況だ。

ただし、通常のGリーグ契約が全てのNBAチームから呼ばれる可能性があるのに対して、2WAY契約は所属するNBAチームの試合にしか出場できないという制約もある。

この2WAY契約ならではの制約がネックになっているのではないか、という質問に対して渡邊選手は「2WAY契約だからこそ継続してプレーさせてもらえている」と答え「チームには感謝しかない」と前向きな姿勢を見せている。

今季のハッスルは2020年3月13日(日本時間14日)時点でリーグ2位と好調。2年目の渡邊選手は1年目に比べて余裕のあるプレーができているという。

1月22日(日本時間23日)のデラウェア・ブルーコート戦では合計40得点とオフェンス面でもチームに貢献した。

グリズリーズでは2020年3月7日に行われたダラス・マーベリックス戦まで6試合連続で出場し、5日のブルックリン・ネッツ戦では約6分間で5得点、ダラス・マーベリックス戦では約4分間で4得点と持ち味のディフェンスだけでなく積極的なオフェンスを披露した。

グリズリーズと本契約を結ぶためには運も必要ではあるが、結果を残すことが大切だと述べ、仮に契約に至らなかったとしても、他のチームとの契約につながるはずと前向きな姿勢を見せた。

東京五輪に向けたキープレイヤー

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2020年は日本のバスケットボール界にとっても大切な1年だ。東京五輪では、44年ぶりに日本代表が五輪に出場することが決定している。

高校を卒業してからずっとアメリカでプレーしていた渡邊選手にとって、東京五輪は日本のファンの前でプレーできる貴重な経験だという。さらに、日本のバスケットボールを盛り上げるためにも活躍したいと口にしている。

2019年に行われたW杯予選では開幕4連敗からの8連勝で本戦出場を決めるというドラマを見せた日本代表だったが、本戦では5連敗と大敗を喫した。

フリオ・ラマスヘッドコーチは「日本代表の課題はディフェンスです」という。相手にプレッシャーをかける、スペースを与えないなど細かい点を意識し、シュートに対する圧力をかける意識を持たなければいけないと語っていた。

年が明けて2月に行われた短期合宿と集中合宿を経て臨んだアジアカップ予選の台湾戦。アメリカで活躍する八村選手、馬場選手、渡邊選手の3人は日程的に参加できず、完全なメンバーとは言えない状態だったが、結果は96‐57で勝利した

2020年五輪イヤーに好スタートを切った日本代表。五輪ではここにオールラウンダーの渡邊選手が加わり、さらに厚みを増す。

※執筆は2020年3月13日時点の内容。3月24日、安倍晋三首相とIOCのトーマス・バッハ会長との電話会談にて、東京五輪の1年延期が決定した。

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