日本球界では広島東洋カープのエースとして君臨し、メジャーリーグ(MLB)に活躍の場を移した前田健太投手。
メジャーの地でも着実に結果を残し続け、2020年にはツインズに移籍し、ますますの活躍が期待されている。
今回はそんな前田投手の日本球界やメジャーでの活躍を振り返り、ファンから愛される素顔や意外な特技など、前田投手の人間としての魅力についてもたっぷり紹介していく。
日本球界で成績残し大リーグへ
前田投手は名門であるPL学園高で練習を重ね、高校3年時に出場した甲子園ではベスト4に大きく貢献。広島東洋カープにドラフト1位で指名を受けて念願のプロ入りを果たした。
プロ1年目は1軍の登板がなかったが、ウエスタン・リーグで優秀投手賞を受賞。これを皮切りに年々進化を遂げていった前田投手は、その後沢村賞やゴールデングラブ賞などあらゆる賞を総なめにし、トップ投手へと成長した。
2015年まで広島のエースとして活躍していた前田投手だったが、その年の12月にポスティングシステムでメジャー移籍を目指すと表明。
ドジャースへの入団が決まると、レギュラーシーズン4年間で47勝を上げ、2017、18年にはワールドシリーズで登板するなど活躍。その後2020年にはツインズへの移籍が決まり、ますますの活躍が期待されている。
先発のこだわり認められず、晴れてトレード
メジャー入りが実現した前田投手だったが、投手生活は必ずしも順風満帆ではなかった。ドジャースでは、先発として通算47勝35敗の安定した成績を残していたが、シーズン後半は救援に配置転換された。
前田投手自身は先発に強いこだわりがあったが、チームのために配置転換を受け入れた。救援でもしっかりと成績を残したが、出来高重視の契約内容だった当時は、配置転換により先発で投げられず、インセンティブをクリアできなかった。彼の活躍と年俸とのギャップはメディアでもたびたび疑問視された。
しかし、ツインズへの移籍に伴い状況は大きく変わった。先発陣の補強を目指していたツインズ側は、かねてから前田投手の獲得を目指していた。先発として評価してもらえたことに前田投手も大きな喜びを感じている。
また、新チームでは「ベテラン枠」に入れられ自己流調整が許されたほか、チームメイトが前田投手に背番号「18」を譲るなど手厚く歓迎され、待遇も改善した。
前田投手自身も「監督、GMもすごく温かく迎えてくれて、すごくうれしい言葉をたくさんもらえたので、僕にとっては前向きな嬉しい出来事。楽しみしかないです」と、新チームでの投球を心待ちにする。
YouTubeでは手作りペーパーで情報発信
前田投手は2020年2月にYouTubeチャンネル「マエケンチャンネル」を開設し、情報発信を積極的に行う投手としても知られている。YouTubeチャンネル開設の一番の目的は「子どもたちの役に立つこと」だ。
メジャーに移籍してからは日本のファンに会う機会や、子どもたちの指導をする機会が減ったことで、自身が培ってきたノウハウや野球のトレンドを共有する機会が必要だと感じ、開設に至った。
アップされている動画には「正しいマエケン体操の方法」や「キャッチボールの方法」など、アスリートとしての情報発信のほかに、「ツインズ移籍の真実」や「日本で対戦してすごいと思ったバッター」などの裏話のようなコンテンツもあり、開設してから1カ月あまりでチャンネル登録者数は14万人を超えている。
動画としての完成度はもちろんだが、「現役で活動している今、言わないと影響力がない」と、現役のメジャーリーガーだからこそ届けられるリアルな思いを重視し、視聴者に届け続けている。
絵が秀逸で「画伯」の異名も
前田投手には広島時代から、自身が描くイラストが秀逸であることから「画伯」という異名がついている。SNSなどにたびたび登場する、独特の「ゆるさ」があるイラストはファンからも人気だ。
「画伯」のキャンバスは紙だけにとどまらない。靴やスマホケースなどにも絵を描く様子がSNSにアップされており、素顔が垣間見える投稿にはファンからの反響も大きい。
また、この絵が話題となり、テレビ朝日系の人気番組「アメトーーク!絵心ない芸人」へのゲスト出演も果たしている。絵心がないキャラクターとして親しまれている前田投手は、番組内でも独特のイラストを披露。
「ラグビーのタックルのシーン」や「卒業証書授与」など、テーマごとに描かれた絵では、出演していた芸人も顔負けの笑いをさらった。
さらに作品のグッズ化が進行していることを自身のツイッターで明かしており、「頑張って描きます」とグッズ用の作品の制作にも意欲を見せている。